アパレル業界業績不振要因

最終更新日2020-03-16

日本のアパレル企業の業績不振が続いており、現状のビジネスモデルの延長線上では、業績の回復は難しいということは予想は出来ます。

 

では、なぜこのような業績不振から脱出できない業界内のどのような課題があるのでしょうか。アパレル業界の業績不振の要因をいくつか紹介させて頂きます。

 

客数の減少

日本では少子化が進み人口減少が進んでいます。中でも若い人の人口が減り、ファッションに関心を示す世代の人口が少なくになるとアパレル業界の業績ダウンに繋がる要因です。

 

郊外のショッピングセンターを中心に新しい大型施設が増加し、オーバーストア現象が起こっています。そこに人口減少時代に入り、一店舗当たりの衣料品を購入する客数が減少しています。

 

海外では、東南アジアを中心に、人口が増加している国々はあります。日本国内の人口減少の補填として、外国人観光客を呼び込むインバウンド対策に期待したいところですね。

 

衣料品の売場面積の縮小

 

デパートのリニューアルでは衣料品の売場を縮小することがテーマになり、事業計画の作成段階から衣料品の売場計画を縮小しているケースが多くなっています。

 

また、ネット販売の台頭で、リアル店舗での消費者の購入が減少しているのもオーバーストア現象の一因です。

 

多店舗展開の失敗

アパレルメーカーが事業拡大の戦略としては、多店舗展開は効果的ですが、顧客の変化に対応出来ないと不採算店舗が増えて、経営的にも行き詰まり会社が倒産するケースもあります。

 

もう一つの要因としては、アパレル業界では直営店で多店舗展開していく商習慣がありますが、飲食店などでは、フランチャイズ化し加盟店を募集してチェーンストア化して出店を推進しています。

 

そのフランチャイズ化のメリットは、直営店の出店とことなり、店舗投資をはじめ多店舗展開するときの投資が少なくキャッシュの経営面での負担がないことがあげられます。しかしアパレルメーカーは、製造販売のSPAの体制を構築に集中し、直営店での多店舗展開を進めたため、店舗投資の負担があり、経営面で行き詰まっているケースが多いです。

 

また、フランチャイズ化は、地域にそれぞれ経営者がいることから、一店舗一店舗の店舗の売上への意識が違い、本部は顧客の変化に応じた対策に力を集中出来ます。

 

輸入品の拡大

 

国内の衣料品は、国内生産が少なくなり、輸入品が97.7%を占めています。国内の生産体制の空洞化が進んでいることもビジネスモデルが進化しない原因です。

 

まだ、まだ課題はありますが、従来のアパレル業界のビジネスモデルを変えていかないと回復が出来ないと思います。

 

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内容紹介

海外のアパレル事業では国によって気候も顧客体型も異なり、日本と同じアイテム・サイズでは売れません。
また組織作りや給与体制・商品企画開発から在庫の売り切り業務も違いがあります。
本書では台湾進出後、即成果に繋げることができるよう準備の段階で台湾と日本の違いや海外事業の軸となる考え方を解説しています。
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投稿者プロフィール

Mr.Thanks
Mr.Thanks
大手アパレルメーカーで30年間勤務し、国内では営業・商品企画・事業企画・他社とのコラボレーションを推進する部門、そして約14年間で海外にて2カ国の法人社長を経験。その後、経営コンサルティング会社に転職し、アパレル以外のビジネスの知見を深め、現在は、コンサルティング会社を起業し、本業に加えファッション系の専門学校で教示している。アパレル業界を目指す全ての方々に実践的なノウハウを伝授したいと思っています。

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