アパレル業界の流通3構造
最終更新日2020-04-13
ファッション業界の流通構造を一般的に「川上」「川中」「川下」の3つに分けられ表現されます。
Table of Contents
川上
川上とは、原料や材料を生産する仕事です。
アパレル商品を作るための繊維や糸を製造したり、それを卸したりする繊維メーカー産業分野です。また、その繊維や糸を使って生地を製造するメーカーや卸しを行う企業も川上に当てはまります。
川上に位置する企業
東レ、旭化成、帝人、東洋紡、三菱レイヨン、クラレ、セーレン、ユニチカなど
川中
川中とは、原料や材料から製品を作るものづくりを担当し洋服、靴、バック、帽子などのアパレル商品を製造するメーカーに売るのが主な仕事になります。
川中は、川上のメーカーで作られた糸や生地を使って商品を製造し、商品のを企画、デザインから手掛けて製造し、自社店舗で販売したり、小売店に卸したりなどを行います。アパレルメーカーやファッションメーカーなどが当てはまる。海外ブランドなども有名企業も多いです。
川中に位置する企業
ワールド、オンワードホールディングス、TSIホールディングス、三陽商会、ファイブフォックス、クロスプラス、ワコールホールディングス、グンゼなど
川下
川下は、アパレルの製品を顧客の手に届ける仕事です。
川下とは、川上や川中で製造され、既に着れる・使える状態になった商品を最終的に消費者に対して販売する小売りの分野のことで、外部メーカーの商品を仕入れて販売するセレクトショップや百貨店などが当てはまります。
川下に位置する企業
しまむら、イトーヨーカ堂、イオン、ダイエー、そごう・西武、高島屋、三越・伊勢丹、東急、大丸・松坂屋など
自社で販売する商品を自社で作るSPA企業
SPAとは「スペシャリティー・ストア・リテーラー・オブ・プライベート・レーベル・アパレル」の頭文字を取った言葉です。日本語では「製造小売業」と呼ばれます。
海外のファストファッションもSPAです。
SPA(エスピーエー)とは、小売業でありながら、自社で販売する商品を自分たちで製造する企業のこと。店の看板と同じブランドの商品だけが並び、タグにその会社が製造元として記載されていたらその店はSPAです。国内ではユニクロが代表的です。
SPAに分類される企業
ファーストリテイリング、ユニクロ、ZARA、H&M、GAPなど
ファッション業界を目指す上で、どのような仕事をしたいのかを明確にして、川上、川中、川下に分けて会社選びをして欲しいと思います。少しでも参考になれば幸いです。
投稿者プロフィール
- 大手アパレルメーカーで30年間勤務し、国内では営業・商品企画・事業企画・他社とのコラボレーションを推進する部門、そして約14年間で海外にて2カ国の法人社長を経験。その後、経営コンサルティング会社に転職し、アパレル以外のビジネスの知見を深め、現在は、コンサルティング会社を起業し、本業に加えファッション系の専門学校で教示している。アパレル業界を目指す全ての方々に実践的なノウハウを伝授したいと思っています。
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