アパレル業界の業態と業種
最終更新日2020-05-20
ファッション市場の特徴(業態と業種の特性)
今回はファッション市場の特徴というテーマで、業種や業態について学んでゆきたいと思います。
「業種」や「業態」という言葉の説明は後にしますが、まずアパレル産業の歴史を簡単に振り返ってみましょう。
Table of Contents
アパレル産業の歴史
洋服はオーダーメイドで作られるのが一般的でした。
[1960年代 既製服の普及]
現在のような既製服が普及し始め日本のアパレル産業が確立されたと言われています。
[1970年代 ファッションビジネスの勢いDCブランド誕生]
自分の個性を表現するファッションが流行し、ファッションビジネスに勢いが出ます。この頃にDCブランドが生まれました。
[1980年代 東京コレクションがスタート]
バブル経済の時代、1人の消費者がDCブランドやアメカジ、イタカジなど、沢山のファッションを着こなすように。この時期に東京コレクションが始まり、世界に名だたる日本人デザイナーも続々と登場しました。
[1990年代 インポートブームやセレクトショップの台頭]
消費者はブランドではなく、自分好みのデザインで服を選ぶようになっていったのです。
またユニクロブームに見られるような、アパレルの低価格化が始まりました。さらに、ZaraやH&M に代表されるような、流行のデザインのアパレルを安価に販売する「ファストファッション」と呼ばれるビジネスモデルが主流となりアパレル低価格化進みました。
このようにファッションの歴史でも、流行は変化していることが分かります。その流行の洋服やスタイルが変化に合わせて、アパレル業界でのビジネスの方法も変えてゆく必要があるのです。
業種・業態の意味
[業種とは]
事業種目の略で、商品やサービスの種類での分けた区分のこと。
例えば、メンズショップ、ジュエリーショップ、シューズショップなどで、何を売っているのかを分けたものです。
[業態とは]
営業形態の略で、立地、店舗規模、店舗施設、店舗数、商品構成、価格政策、販売方法、調達方法などの営業形態のこと。
例えば、専門店、ファッションビル、セレクトショップ、百貨店、量販店、ショッピングセンター、アウトレットモール、ファッションECモールなどです。
覚えておきたい主な業態
アパレルブランドの出店に関係する業態
[百貨店]
阪急、阪神、高島屋、大丸、伊勢丹、三越など
経済産業省が実施する商業統計調査の基準によれば、百貨店は下記のように定められています。
「衣・食・住の商品群の販売額がいずれも10%以上70%未満の範囲内にあると同時に、従業者が常時50人以上おり、かつ売り場面積の50%以上において対面販売を行う業態」つまり、百貨店は衣食住を総合的に提案する巨大なセレクトショップです。
[ファッションビル]
ルクア、パルコ、エスト、丸井、ルミネ、ラフォーレ、ららぽーとなど。
ファッションビルは、百貨店やショッピングセンターのような協会団体もなく、公的な定義はなく新聞や雑誌などで利用される区分ですが、衣類や雑貨などファッション関連を取り扱う人気ブランドのブティックやセレクトショップなど衣料・雑貨関係のテナントが集まった商業施設。
[ショッピングセンター]
イオン、イトーヨーカドーなど
ショッピングセンターの定義は、日本ショッピングセンター協会によって下記のように定められています。
ショッピングセンターとは、衣食住すべてが揃う複合型で、商業・サービス施設の集合体で、駐車場を備えるものをいいます。「街全体の開発や整備を行うディベロッパーにより計画、開発されるもの」という前提が、百貨店とショッピングセンターを分ける大きなポイントになります。
商業施設単体だけではなく、その商業施設が街全体に与える影響を考えながら、企画・開発されているのがショッピングセンターです。つまり、ショッピングセンターは商品の販売を軸にした不動産業であるということがわかります。
[アウトレットモール]
三井不動産が運営する三井アウトレットパーク
三菱地所・サイモン株式会社が運営するプレミアム・アウトレット
西武グループが運営するプリンスショッピングプラザ
大和グループが運営するアウトレットモール
イオンが運営するレイクタウンアウトレットなど
アウトレットモールとは、1980年代にアメリカ合衆国で誕生した新しい流通業の形態で、主にいわゆる「メーカー品」や、「高級ブランド品」を低価格で販売する複数のアウトレット店舗を一箇所に集めモールを形成したショッピングセンターのことです。
[オンラインショップ]
楽天、アマゾン、ヤフーショッピングなど
eコマースとも言い、Electronic Commerceの略で、電子商取引のことです。WEBサイト上で商品を販売します。
投稿者プロフィール
- 大手アパレルメーカーで30年間勤務し、国内では営業・商品企画・事業企画・他社とのコラボレーションを推進する部門、そして約14年間で海外にて2カ国の法人社長を経験。その後、経営コンサルティング会社に転職し、アパレル以外のビジネスの知見を深め、現在は、コンサルティング会社を起業し、本業に加えファッション系の専門学校で教示している。アパレル業界を目指す全ての方々に実践的なノウハウを伝授したいと思っています。
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